1996年のピンボール。

NOHALAのギタボ。RAYのブログ。

ロジカルとトリハダ

先日「君たちはどう生きるか」観て来ました。

ネタバレ厳禁ですから一言だけ。もうね。

「疲れた。。笑」

凄かったなぁ、、でも。ストーリーとかより細部のね。ここの音どうやって鳴らすんだろうとかこう処理してるのかな?とか。このシーンのこの絵はフラグなのかなあとか。ロジカルに分析しながら観ていたから結果的にはそんなんじゃなくて振り回されたって感じかな。

 

後日談だと宮崎駿監督も今回の作品は自分でもよく分からないとのこと。。

鳥肌立たせ続けて作ったんかなと思いました。

ズバリ彼なりのトリハダ作品ですね。

 

というのも僕は何かを作る時、何かを受け取る時にトリハダが立つんです。

音を聞いて、歌詞を聞いて、文章を読んで。

何かが響いたらトリハダが立っている。

そして後に何故トリハダ立ったかをロジカルに分析する。要するに論は後です。

 

岡田斗司夫氏の受け売りだけど。あの映画は巨匠宮崎駿だからゴリ押せた。普通だったら整合性とか分かりやすさとかその観点で他者のメスが入って形が変わるハズだと。つまりロジカル処理されるはずがされていない状態で世に出たね。と。

 

なるほど、、!となりました。

僕の造語だけどトリハダ作品はアート的で、ロジカル的作品はエンタメ的と言えば良いかな。

 

僕も花束と花火 by NOHALA以前は完全トリハダ優位で書いてたから。歌詞の伝わりやすさよりもワードの語感の良さや、言葉の並びの凄み。生きててトリハダ立ったことをそのまんま落とし込む感じ。今も昔も売れたいと思ってるけど、根本的には表現が先だったな。明らかに。ミニアルバムのマニック by NOHALAはトリハダ作品の個人的集大成だったかな。

半芸術系の大学に行ってたから、周りの人たちはみんなすごい感性を持っていて。先生に褒められてて。

正直言って、僕の作る曲って自分で言うのもなんだけどかなりポップで聴かせどころも分かりやすいと思うから、変なコンプレックスがあった。音楽の学校じゃあないんですけどね。当時の周りのバンドとか尖ってる同級生とかに対してね。

じゃあお前らにはないリアリティで闘ってやるよと学校に全く行かずに堕落するという世界一幼稚な逆張りをした後に、青臭い厭世観だけ募り、、死について考えさせてられることもあり。それを凝縮したのが「マニック」と自負してます。

 

それ以降は視点を周りに映して、メンバーとそれこそ整合性を付けて一つのプロダクトを作る。

受け手の視点を大切にする。

そんなロジカル的作品を意識的に作るようになって、それはそれで大変だけど楽しさはあります。

自分のアートを再翻訳して再翻訳してエンタメにしていくというか。罵詈雑言だらけのメモ帳が浄化装置を通った後のようになる姿を見るのも楽しいです()

僕は美輪明宏さんの「ありのままの私を見て!って言葉。場合によっては泥の付いた大根をそのまま食べろってことにもなるのよ」って言葉本当に好きで。やっぱり製品作りは料理をしている感覚にも似てると思います。

ある程度ボーダー、ルールの中でテクニカルで差をつけていく。僕は昔から好きだったけど、今になって更にミスチルの歌詞を熟読するようになって。当たり前の事を言うとしても魔法がかかったように言葉次第では見せることができるなあと感じて。例えば心を削って情熱を灯すことをカンナで表現とか、かなりマニアックな素材なのになんか腑に落ちるところとか笑

 

お世話になっている方からやはりメジャーになればなるほど、「好きだよ。か、頑張れ!」しか言えなくなるんだよねえとこぼされる時もあり。。

でもその方も僕も心の奥底ではわかってるんです。恋愛は人生において最高のスパイスだし、仮に音楽でリスナーを勇気つけられたらどれだけ幸せな事か。そしてガキの頃にそんな曲を聴いてどれだけ感動させられたか。

 

だからそのお約束命題をそれぞれのテクニックを用いて光らせていく。それがロジカル的作品の見どころ。僕の目指す高みだと思ってます。基本捻くれてるけどやっぱり幸せになりたいし、有名になりたいし、人を元気付けたいし、モテたいから。やっぱりね。

 

でもどうしてもみんなに感じてもらいたいなというトリハダもあるので、それも書いちゃってます。chu ワガママでごめん。。

ソロで何曲か殴り書きしたので、それ聴いて酷いなら酷いなあと思ってもらっても構わないし。気に入ってくれたら嬉しいし。トリハダ立たせられたら作曲家冥利に尽きます。

これも受け売りだけど、「芸術には考えるための余白が必要」って言葉があって。全部ロジカル処理される前の人によっては泥大根、ダイヤの原石、味のしないガム。何にでもなり得るそんなものを久しぶりに勇気出して投げかけてみようと思います。それでも案外ポップだと思われちゃうかも。

 

NOHALAもソロもリリース時期は近くなると思うので、僕のトリハダと僕らのロジカル。どちらも召し上がって頂けると幸いです。

長ったらしい近況報告と宣伝にお付き合い頂きありがとうございました。

f:id:RAY_NOHALA:20230723035557j:image

眠たそうなアー写。とても良い。

RAY