1996年のピンボール。

NOHALAのギタボ。RAYのブログ。

ボクナリノインタールード「とある人から聞いたんだ。真っ青な空は後ろめたさだ。」

RAYです。やーっと肌寒くなってきましたね。

あの殺人的にクソ暑かった夏に出したミニアルバムの連載企画がやーっと終わります。

頓挫しなくて良かった。。

 

8月上旬に出したミニアルバム「ボクナリノインタールード」について。

インタールードは間奏という意味で、これまで1発1発全集中でNOHALAの曲書いていて、でもやりたいこと全て盛り込めていた訳では無かったので、代わりのストレス発散目的なんだけど。思い入れは強いから、1曲ずつセルフライナーノーツを書いちゃおうと思う。の第5段!

 

最終回「とある人から聞いたんだ。真っ青な空は後ろめたさだ。」について。

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とある人から聞いたんだ。真っ青な空は後ろめたさだ。

とある人から聞いたんだ。真っ青な空は後ろめたさだ。

  • RAY
  • インディー・ロック
  • ¥204

 

▪️音楽と歌詞の相関性について

思えば僕は、2年ほどずっと「歌モノ」という言葉に寄り添って来た。

バンドとして歌モノをやろう!とかっちり決まってから作曲担当の僕は異空間に放られた気がする。というのも、RADWIMPSのアルバムすら1枚も通して聴いたことがない僕が歌モノを書くのだから難儀するに決まっている。最初は勉強から始めた。メンバーに好きな歌モノのプレイリストを作ってもらってそれを聞き込んだり、いわゆる歌モノ界隈のライブを見に行ったり。

で、結局得た結論が「多少の音楽性はあれど、これHipHopやんけ」だった。

特に近年のは、まるで追体験するかのような恋の話とかの私小説的で。

題材が大麻かタバコか犯罪かセ○レかくらいしか違いが無いように思えたからだ。どちらもストーリーがある。

そして音楽性よりもストーリー性重視だ。

 

これを確信した出来事がある。

Blink182が新アルバムを出した。僕のルーツのカリスマたちの新アルバムって失礼だけど期待せずに聴くようにしてる。正直焼き増しでもなんでもいいから生きてるってことを僕に伝えてくれよって感じの気分で。

だが今回はまじでやられた。トムデロングの再加入もあり、セルフタイトルドのような「俺の曲の方がカッケェよ」みたいなトムとマークのバチバチのタイマン感も伝わるし、ONE MORE TIMEというタイトルからも読み取れるくらい、エニマとかTake offみたいなお約束Blinkポップも満載で。明らかな焼き増しも数曲あり、ファンならほくそ笑む要素しかない。

その中でも僕のお気に入り曲「Dance With Me」のサビの歌詞なんか

 

「オレ!オレ!オレ!オレ!俺らは朝まで踊り続けるぜ」×4

 

湘南乃風よりバカっぽい。いや、「Ah!!真夏のジャンボリー」のあの曲も実はCメロでどうして俺だけリア充になれないんだよ、、と拗ねる展開があったりストーリーがしっかりしてたりする。

いや、そもそも湘南乃風って泣ける。男と女が出会って愛し合って別れて、落ち込んで立ち直って。俺ビックになるぜと宣言するまでが1曲に収まっている。日本で勝負する上では、やはり歌詞の起承転結って求められるのかもしれない。

だから歌モノやるならバックにこだわるよりも歌詞に全振りした方が良いのではないかと痛感しながら書いていた。

 

▪️とある人から聞いたんだ。真っ青な空は後ろめたさだ。について

それでも僕はナヨい私小説的な曲は受け入れられずにいた。一々具体的過ぎて想像の自由を与えてくれないし。歌詞を聴かせるために楽器陣は抑えめだし何よりそれを得意げに吹聴するのはやはりヒップホップだ。マッチョかナヨいかくらいしか違いが無い。ならば僕はマッチョを聴く。

 

だけれどその嫌悪感の中に一握りの羨ましさはあった。曲で小説が書けるってすげえなあ、、って。僕もやってみたいとは常々思っていた。

それでもNOHALAにはそぐわないと思ったし、NOHALAの音楽は聴いている人にもし歌詞を読んでくれる方がいるならばそれぞれの景色を歌詞から描いて欲しかった。だから具体的な名称は一切用いないことに強いこだわりがあった。

 

だからこの曲は僕のソロとしての挑戦だった。

私小説。そして僕以外の視点での歌詞。

この曲は音が止まったら明かりを消してくれの焼き増しだ。視点を変えての焼き増し。

タイトルもAメロの歌詞からの引用。

正直アコギなんて酔っ払いながらつまびいたのをそのまま自分の部屋でレコーディングしたし、歌も声を張ってないから部屋で録った。

音楽的こだわりは特にない。歌詞からなんとかハマるようにメロを考えて当てはめただけ。

あと今年の初夏に友達と旅行に行った時の素敵な海の音をサンプリングして貼っつけた。波の音はあらゆる情景を想像させるスパイスだ。

 

自分なりの起承転結は作れたと思う。

僕にとって女性という存在は理解の及ばない圧倒的なもので、自分の考えていることも大体バレてると思っている。音が止まったら明かりを消してくれでは僕自身の焦燥。厭世観と女性観をほんとに余裕なんてないレベルまで切り詰めて書いた。

それに対してこの曲は一歩引いて巨視的に「あの夏」を振り返るような余裕を持たせた。

 

視点を女性に切り替えたことで、結局自分語りは出来ていないんだけれど。。

ボクナリノ私小説を楽しんで頂けると幸いです。

 

ミニアルバムを通して僕は自分の未知の領域に踏み込むことが出来て。それが自分のメインの活動に生きることを確信できている。

 

聴いてもらった方々には感謝の気持ちを改めて贈りたい。本当にありがとうございました。

一皮二皮剥けた僕の今後にもご期待下さい。

 

RAY